関東地方整備局の荒川下流河川事務所が初めてのICT活用工事として発注した河川土工の現場で、「ICT土工体験講座」が開かれた。この講座は、関東地整が進めている担い手確保、i-Constructionによる生産性向上の取り組みである「地域インフラサポートプラン関東」の一環で、荒川下流河川事務所と東京建設業協会が共同で開いた。約90人が参加した講座の内容を紹介する。

 UAV(無人航空機)は、起工測量や出来形計測、橋梁点検などインフラ分野での貢献が見込まれる。拡大する市場に対して昨今、UAV操縦士向けの教育施設が次々と誕生している。そこで、操縦士の育成の現状を知るべく本紙記者が操縦体験会へ実際に参加した。
 今回参加した体験会は、一般社団法人ドローン操縦士協会(DPA)が東京都江東区のドローンスクールジャパン東京校で開催した「ドローン活用セミナー&操縦体験会」。UAV操縦士の認定ライセンスを発行しているDPAの講座を受講してみた。


 今年度も新たな展開を見せているi-Constructionだが、地域建設業が自ら講習会を主催し、自発的にICT施工を取り込もうという動きが出始めている。東北で行われた新たな事例を紹介する。

 4月22日、宮城県でICT土工に取り組んでいる丸本組(宮城県石巻市、佐藤昌良社長)が、重機土工協力会社の大正建設(石巻市、大槻正治社長)とともに、i-Conと無人化施工を学ぶ「いい仕事セミナー」を開催した。ほかの協力会社を含む社員と宮城県の職員、開催協力した日本キャタピラー職員を含め約100人が集まり、先端のICT建機と、油圧ショベルのキャビンに搭載するだけで無人化施工できるユニットの実機を使ってICT施工を学んだ。

今回は引き続き、新設・改訂された基準類の目的と解説を行う。小規模工事に対応して一般的なトータルステーション(TS)やGNSSを活用する部分と、ステレオ写真やUAV搭載型LSなど新たな技術への対応、そして地上型レーザースキャナー(LS)を用いた公共測量マニュアルの新設について見てみたい。


 3月末に国土交通省から公表された基準類。前回の15の基準類の改訂が7つ、新たに新設改訂がなされた基準類が12となった。今回はこれらが具体的にどのような目的でカイゼンされたのかを追ってみたい。

◇大きな変更点

 今回の基準類改訂で大きなものは、(1)UAV(無人航空機)を使った測量・出来形管理(2)地上型レーザースキャナー(LS)を用いた公共測量の新設(3)小規模工事に対応して一般的なトータルステーション(TS)やGNSSを活用(4)ステレオ写真やUAV搭載型LSなど新たな技術への対応の4点といえる。
 これに加えて締め固め管理要領で、締固め層厚の把握の代わりに写真管理基準を緩和する改訂も行われている。

◇UAV関連の変更

 UAV関連の変更が比較的多く、昨年度1年間のうちに現場から寄せられたり、メーカーなどから登場した新技術への対応がなされた。
 まずは、空中写真測量(無人航空機)のラップ率などの緩和だが、空中写真測量で、UAVから写真を撮影する際、これまでは進行方向に90%のラップ率を求めていた。これは、連続して撮影する写真を9割重ねて撮影しなければならなかったが、これを8割にまで緩和したことになる。
 次は標定点設置での緩和だ。これまで4、3級基準点相当で計測が求められていたが、これは事実上TSしか利用できなかった。今後は、TSだけでなくGNSSローバーを使って設置できるよう、水平プラスマイナス2cm、垂直で3cmまでの精度まで緩和された。

◇新技術への対応

トプコンが開発しているプリズム付きのUAV

 新たに登場してきた技術にもいち早く対応している。TSプリズム付きUAVへの標定点緩和がそれだ。トプコンが製品化を目指しているが、UAVに搭載したカメラに自動追尾TS用の360°プリズムを付け、地上のTSから常にUAVの3次元位置を記録して、撮影時の座標を精度よく管理するというものだ。
 このように自己位置の定位精度が確保可能なUAVであれば、標定点と検証点を大幅に減らしてもよいことにした。空中写真測量では、あらかじめ現場に標定点を設置する作業が負担になっており、こうした作業時間が減らせる見込みだ。
アミューズワンセルフのLS搭載型UAV

 次にレーザースキャナー(無人航空機)を用いた出来形管理要領。これは写真測量が一般的だったUAVに、LSを搭載する製品が出てきたことから、こうしたLS搭載UAVでも出来形管理ができるようにしている。
 地上型LSでは、盛り代えが必要な出来形管理も、UAVに載せて飛ばしてしまえば、計測面との入射角が大きくとれるため、効率的に点群を取得可能だ。
 次回は、地上型LSや小規模工事対応などを解説する。

建設通信新聞(見本紙をお送りします!)


 4月から新年度を迎え、i-Construction(アイ・コンストラクション)にも、再び変化が訪れた。
 2016年3月に整備された15の技術基準類について、1年間のICT活用工事の経験も踏まえて7つの基準類を改訂した。また新たに、12の基準類の新設・改訂も行われたのだ。測量成果についても2つの技術基準類を新設した。国土交通省ではこれを「カイゼン」と呼んでいる。新設・改訂のねらいについて、具体的に解説してみたい。


UAV(無人航空機)などを使った空中写真測量技術の進歩は速い。米国でも日本と同様に、インフラストックである橋梁の点検が課題になっているが、イリノイ大学アーバナーシャンペーン校の企業インキュベート施設で産声を上げたリコンストラクト(RECONSTRUCT)社(CEO、Mani Golparvar 同大土木環境工学科准教授)は、UAVと点群を使った新たな橋梁点検技術を開発・運用している。今回は「日本でも運用できる」(Mani CEO)というこの技術を取り上げてみたい。

国内でi-Construction(アイ・コンストラクション)の動きが活発化し4月から始まる新年度からは、国が「ICT(情報通信技術)舗装」用の積算基準を新設したり、現行の要領案を改定するなどしている。今回の拡大版「挑戦!!アイコンストラクション」では、米国カリフォルニア州の運輸局(California Department of Transportation、CALTRANS、カルトランス)のCIMへの取り組みを中心に、先端のICT土木の仕組みを学ぶ。


 日本建設機械施工協会(辻靖三会長、JCMA)は14日、東京都港区の機械振興会館で、「i-Construction説明者試験」を行った。試験は、JCMAの情報化施工委員会i-Construction普及ワーキング(WG)が実施したもので、全国の建機、測器メーカー、レンタル会社、ソフトウェアベンダー18社から40人が受験した=写真。試験に合格すると、JCMAから公式説明者認定証が与えられる。

 i-Constructionでは、UAV(無人航空機)を使った空中写真測量がよく使われる。中日本航空は、UAVにレーザースキャナー(LS)を搭載して直接点群を取得するドローンレーザー測量サービスを展開している。同社は1996年に公共測量として初めて、有人ヘリコプターにレーザー計測機を搭載した。その後、水中を透過する特徴を持つ「グリーンレーザー」を使った水面下の地形を取得する計測もスタート、空中から陸地と水底の連続地形計測も実現した。
 LSを使った計測は当初、農業などでも利用されている産業用無人ヘリコプターで開発を進めていたが、ICT土工で自律飛行が求められているため、UAVに搭載することにしたという。


 茨城県潮来市の県発注工事の現場で、地域建設業が自ら進めるICT土工が展開されている。現場は、掘削工1万1700m3、路体盛土工1万2200m3という規模の道路新設工事。現在3次元マシンコントロール(3DMC)油圧ショベル1台、3DMCブルドーザー1台、クローラーダンプ1台と、転圧管理システム付きのブル1台で施工が進む。通常は手元作業員を含めて6、7人で施工する規模だが、この現場は3人だけで施工している。

航空測量を手掛けている国際航業は、自分で撮影したUAVやスマホの写真をクラウドにアップロードすると、短時間で3次元測量データとして受け取れる「3次元空間解析クラウドサービス(KKC-3D)」を展開している。
 このサービスは、昨年3月に国土交通省国土地理院が整備した「UAVを用いた公共測量マニュアル(案)」に準拠しており、同社が長年航空測量分野で培ってきた写真測量技術をもとに、i-Constructionへの対応を行っている。


 日本キャタピラーは、ICT建機の販売・普及に本格的な取り組みを始めた。埼玉県秩父市にある同社の秩父ビジターセンターに、全国のICT(情報通信技術)担当者約50人を集め、i-
Construction(アイ・コンストラクション)で必要となるGNSS(全地球測位航法衛星システム)測量の実践や3次元設計データ作成などの研修会をスタートさせた。
 この「ICTキーマン研修会」は、同社の情報化施工推進グループが主催し、ビジターセンターにある実際のICT建機やGNSSローバー、3次元設計ソフトなどを使って、現場に準じた作業をチームで行う。

 日本機械土工協会(向井敏雄会長)は、ICT(情報通信技術)土工に求められる知識や実務的なノウハウを落とし込んだ「標準教育モデルカリキュラム」の構築に乗り出す。27日から3月4日にかけて、静岡県富士宮市の富士教育訓練センターで、i-Construction(アイ・コンストラクション)における一連の流れをトータルで組み込んだ“実践型"のモデル講習を試行する。

 関東地方整備局の千葉県内4事務所と県、千葉市、県建設業協会(畔蒜毅会長)による千葉県i-Construction(アイ・コンストラクション)推進連絡会(会長・八尾光洋千葉国道事務所長)の初会合が23日、千葉市の同事務所で開かれた=写真。この中で協会はICT(情報通信技術)活用工事の普及拡大の課題として「発注件数が少ない」と指摘した。県は「国が示したICT活用工事の積算基準類などを2016年度中に整理し、対象工事などを検討するとともに、なじみやすい手法を考えたい」とICT活用工事の発注に意欲をみせた。